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南和病院の機能と役割

                               



1.南和病院開設の趣旨


 南和病院の開設は平成151月ですが、当時の奈良県南和医療圏は次のような状況下にありました。つまり、平成4年の第2次医療法改正において、療養型病床群制度が創設され、急性期医療と慢性期医療の方向性が明確化されることになりました。しかし、当時の南和医療圏における医療供給体制は、公立3病院と言われる県立五條病院、町立大淀病院、国保吉野病院はいずれも急性期一般病院であり、慢性期医療を担ういわゆる「療養型病床」は皆無の状態でありました。急性期医療と、慢性期医療の機能分化が叫ばれる状況下にあり、北和・中和医療圏と比較しても、南和医療圏における慢性期医療はかなり立ち後れていると言わざるを得ませんでした。このような状況を踏まえて、長期療養型病床を主体とする病院の開設に至った次第です。


2.一般病床
42床と長期療養型病床96床を併せ持つ病院


 南和医療圏は他の医療圏と比較しても、特に高齢化が進んでいる地域でもあります。そのためか、入院患者の大部分は80歳以上の高齢者と言っても過言ではありません。そして、その殆どは近隣の急性期病院からの紹介や、介護老人保険施設や特別養護老人ホームからの紹介です。主な疾患名をあげますと、誤嚥性肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など高齢者に特有な呼吸器疾患です。それ以外には、橿原市、御所市、天理市、宇陀市など他の医療圏の基幹病院からの紹介です。その主なものは、パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病をはじめ、蘇生後脳症や、脳卒中などで気管切開術や胃瘻造設術を受けられた患者さんです。施設から紹介された誤嚥性肺炎や、褥瘡患者、摂食障害で胃瘻造設術を依頼された患者さんについては一般病棟で診療しています。一般病棟への入院患者さんは、圧迫骨折などの整形外科的な疾患、痔核など手術を必要とする外科的な疾患、心不全、脱水などの内科的な疾患などです。また、長期療養が目的で他院から紹介された患者さんでも、直ぐに療養病棟に入院するのではなく、暫くは一般病棟に入院して頂き、前院よりの治療をそのまま継続しても良いのか否かを確認し、必要な検査を行うことで一般状態の把握に努めています。また逆に、療養病棟に入院している患者さんであっても、肺炎などを併発し、その他積極的な治療が必要な状態になれば、患者さんの希望を伺った上で一般病棟での治療を行っています。療養病棟に入院する患者さんの殆どは、いわゆる『医療区分2か3』の「医療必要度の高い」患者さんですが、リハビリなどを積極的に行い、ADLの改善に努めることによって自宅への退院、或いは施設への入所を目標にしています。そのために、入院早期より多職種カンファレンスを行い、退院のための支援を行っています。



3.長期の入院透析が可能


 当院には透析ベッドがあり、長期療養が必要な透析患者さんを受け入れています。奈良県下でも毎年多くの慢性腎不全の患者さんが人工透析を導入されていますが、導入された後殆どは外来透析に移行しています。外来通院で透析が可能な間は特に問題はないのですが、通院中何らかの原因で他の疾患を併発し、通院透析が不可能となったときには、長期に入院できる病院がありません。現在、当院ではこのような患者さんを約20名受け入れています、日曜日以外は、毎日午前と午後の2クールで人工透析を行っています。もちろんこのような患者さんでも、自宅よりの通院が可能になれば、近くの透析クリニックや通院が可能な病院に紹介することにしています。



4.外来の診察機能


 外来受診の患者さんはそれ程多くはありませんが、内科、外科、整形外科の外来診察を行っています。その主なものは、退院して外来通院している患者さん、リハビリで通院している患者さん、腰痛や関節痛などの整形外科の患者さん、高血圧や心不全などの循環器内科の患者さん、肛門疾患や外傷など外科の患者さんなどです。当院には救急治療室がありますが、救急患者の診察は行っていません。以前は輪番制で外科の救急を扱っていましたが、救急搬送の件数が少なく、中止しました。しかし、救急隊からの要請があれば、昼間の時間帯で当院に余裕があればなるべく協力するようにしています。

                            
平成23101日作成